昨日17日に東京訴訟第2回期日が行われました。
フジテレビが夜のニュースで放映してくれました。また、しんぶん赤旗が記事にしてくれました。
「法曹の卵」が直面する、厳しい現実を取材しました。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00264928.html
裁判官、検察官、そして弁護士。これらの職業に就くためには、司法試験に合格する必要があります。
合格後もさらに1年間、現場での研修を義務づけた司法修習の期間があり、以前はその期間中、年間およそ250万円の給与が国から支払われていました。
しかし、2011年にこの給与制が廃止されたことで、借金を抱えて弁護士デビューする人もいます。
法曹の卵が直面する、厳しい現実を取材しました。
弁護士の卵が見せてくれたのは、かごいっぱいに並んだ即席麺。
司法修習生の桐山正太さん(仮名・29)は「夜はもうほとんど、カップ麺ですかね」と話した。
1年間の給料ゼロを乗り切るため、こうした節約をする司法修習生たちが増えているという。
桐山さんは「今、裁判の修習なんですけども、基本的には法廷を傍聴したりとか、あとはいろいろ判決文を書いたり、そういうことをしています」と話した、
弁護士を目指している桐山さん。
法科大学院卒業後、2013年、3度目の挑戦で、司法試験にようやく合格した。
現在は週5日、午前9時から午後8時まで司法修習を受けている。
桐山さんは「実際、生活してみると、厳しいなっていう感じはありますね」と話した。
現在、桐山さんは、毎月23万円の貸与金を受け生活している。
アルバイトをする時間もなく、家賃や食費などの生活費はもちろん、弁護士の登録費用や交通費なども、全てここから賄わなければならない。
桐山さんは「僕自身は本当に、まだ恵まれているほうで、大学、法科大学院のころの借金(奨学金)っていうのが、そんなに多くなくて、150万円ぐらいなんですけど。毎月、月々1万5,000円ずつぐらい返している感じです。借金で借金を返済しているっていう感じになっています」と話した。
司法修習終了時には、貸与額はおよそ300万円となる見込み。
桐山さんの場合、弁護士になれたとしても、奨学金とあわせて410万円の借金を抱えてのデビューとなってしまう。
桐山さんは「本当は、お金がなくても困っている人っていうのは、いっぱいいると思うんですけれども、そういう事件をないがしろにして、お金になる事件ばっかりを追いかけるような弁護士が増えたり、自分も、もしそうなってしまったら嫌だなっていうのが、すごく今、感じています」と話した。
4年前までは、司法修習生にも、月およそ20万円の給与が与えられていた。
しかし、国の財政難などの理由から廃止され、現在は自己資金か、桐山さんのように貸与制を利用しなければならなくなった。
この貸与制を利用しているのは、司法修習生の85%。
借金の平均額は、340万円となっている。
貸与制の第1期生だった野口景子弁護士の周りには、お金が工面できず、弁護士の夢を諦めた友人がいたという。
野口弁護士は「親御さんの非常に経済的な状況が厳しくて、法律家、最終的に修習生になることをやめてしまったっていう子がいました。大学・ロースクールまでの奨学金と、それから貸与金の300万円をあわせて1,000万を超えてる人って、すごくざらにいるんですね」と話した。
一見、華やかに見える弁護士という職業だが、その所得の割合は、300万円以下が全体の30%を占めている。
そんな厳しい現実の中、17日、「司法修習生への給費制を廃止したのは、憲法違反で無効だ」として、元司法修習生およそ120人が、給与の支払いを国に求める裁判の第2回口頭弁論が行われた。
そこに参加していた野口弁護士は、「今の学生や、あるいは、まだまだちっちゃい子どもたちが、お金、経済的なことを理由に、弁護士や裁判官、検察官を諦めずに済むような、そういう制度にしてほしいということを強く願います」と話した。