商業誌SPA!が珍しく給費制の記事を取り上げてくれています。
良い記事です。多くの方に読んでいただきたいですね。
(ブータ)
静岡大学が島根大学と連携をするようです。http://www.ls.shizuoka.ac.jp/news/kiji/#20130823
いずれも地元密着型の法科大学院ですね。島根県弁護士会の法曹養成制度に関するパブリックコメントも主にそうした観点からの意見でした。http://www.shimaben.com/809.html
地方の法科大学院は、都市部の法科大学院に比べ、優秀な学生が集まりにくい傾向にあると思います。しかし、少人数教育によって、地域に貢献する法曹を育てることは、その地域にとって有益かつ重要なことです。合格率のみを引き合いにしてその法科大学院の価値を決めるべきではないと思います。
最近は、合格率が低迷する法科大学院は補助金を削減し、早期撤退を暗に促すという話が出ています。
しかし、合格率だけにとらわれない視点で、法科大学院の存在意義を探ることも重要ではないかと思います。
(ブータ)
私たちは給費制廃止の弊害を説明するにあたって、よく「法科大学院だけでも学費が年間100万円を超える場合が多くあり、これに加えて給費制まで廃止されたら経済的負担が大きすぎることになる」と言っています。
しかし、多くの方々から「じゃあ法科大学院を廃止したらいいじゃん。結局悪いのは法科大学院じゃないのか?」とつっこまれます。
もちろん、法科大学院の学費が高いことや、法科大学院を卒業するか予備試験に受からないと司法試験を受けられないことも問題です。
でも、ここまで制度が進んでしまった今、この部分を変えるのはとても時間がかかります(個人的には、時間をかけてでも制度を変えていくべきだと思いますが。)。変えている間にも、経済的な理由から法曹になることを諦める人がどんどん出てきてしまいます。
それよりも、制度が変わったばかりの給費制をせめて復活させるところから進めていきたいと思います。
※今回のブログは、訴訟団としての意見というよりも筆者の個人的な意見です。
(ブータ)
提訴の効果なのでしょうか、1週間前に、読売新聞が給費制廃止についてのアンケートを行っていました。http://sum.qooker.jp/O/jobBizYesno114/ja/sp1.html
現在(2013年8月11日)は
給費制廃止に賛成 28%
給費制廃止に反対 72%
と、給費制の復活を求める意見が7割を超えています(ホッ)。
給費制は廃止した方がいいという意見を見ると、給費制は奨学金と変わらんとか、法曹だけ優遇するなとか、給費制の意義を踏まえない議論が多いですね。最近の公務員バッシングに通じるような内容のものもあります。
こちらももっとわかりやすい主張をしていく必要があるなと痛感しました。
(ブータ)
元「法律新聞」編集長の方がブログで私たちの訴訟のことを取り上げてくださっています。温かい目線の記事です。
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-725.html
確かに、法律家の中でもこの訴訟に対して批判は多いです。信頼していた先輩から「こんな訴訟は馬鹿げている」と言われた時の絶望感は忘れられません。
また、一般の方はあまり関心を寄せてくださいません。弁護団内部でも「この問題は、一般の人には響かない。一般の人に広めようとするのは時間がかかるわりに効果があまりないので、法曹界に重点を置いて広めよう」という意見の方もいらっしゃいます。
本当に、色々な点で賛否両論がある訴訟です。私たちも、この訴訟は厳しい訴訟であり、場合によっては敗訴判決が貸与制を追認する形になることを重々承知しているつもりです。
でも、それでも私たちは貸与制でつらい想いをした同期がいたことや、後輩たちに同じ思いをさせたくないことから、訴訟を提起することを選択しました。訴訟も何もしないまま貸与制を受け容れることに問題を感じたのです。このブログは私たちのそういった想いも拾ってくださっていて、読んでいて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ただでさえ暑い季節なのに熱いくるしいことを書いてしまいすみません。次回はもっと軽やかな話題にしたいと思います!
(ブータ)
すっかり更新が遅れてすみません!
提訴当日の行動を録画しました。
http://www.youtube.com/channel/UCQ_s3WD8QpR4nGGvOEZ8Qsw/videos
記者会見がけっこう長かったので、一部編集してあります。
ニュースでは割愛されたところもたくさんあるので、ぜひご覧下さい。法律構成の話になると、どうしても平等権の話がフォーカスされてしまいますが、実際は、平等権の主張はメインではなかったりします。
最期に。動画をずっと撮ってくれた同期に感謝です♪
(ブータ)
いよいよ明日は提訴日です!
名古屋に変更があったので、各地の提訴行動の予定を再度お伝えします。
奮ってご参加ください!
今回の提訴では、合計180名を超える方が原告になってくれています。これは同期である新人弁護士の10名に1名の割合になります。これを少ないと思われる方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、同期の中には事務所のボス弁護士に反対されたり、あるいは反対をおそれて原告になれなかった人がたくさんいます。昨今の就職難により、新人弁護士の多くは事務所のボスの顔色を伺い、ボスに嫌われないように必死で歯を食いしばって耐えています。私たちは、そういう人たちに対して無理矢理「原告になって」とは言えませんでした。原告の数の背景には、多くの「原告になりたくてもなれなかった同期」がいます。
また、そもそも自分の被害を認識できない人も多くいます。「合格者数が増えたんだから仕方ない」とか、「貸与制だとわかってて借りたんだから仕方ない」という意見が多かったです。でも、貸与制は受益者負担や自己責任を押し付けるものであり、明らかに法曹の公益性を低からしめると思います。
貸与を受けていると、一応、毎月お金が入ってくるので経済面で困窮することはありません。そのため、当初は「自分はあまり困っていない」と言っている同期も多くいました。しかし、5年後に返さないといけないことを指摘すると、「ああそういえばそうだった」と言い、これまでの借金の額を聞いたりするうちに少しずつ反応が変わっていきました。
私たちはこうして地道にひとりひとりと話しながら、同期から委任状を集めてきました。提訴が何度も延期されたことから後でトラブルが発生しないように、最近はこれまで集まった原告ひとりひとりに連絡をとり、提訴をしても良いか意思確認を行いました。
新人弁護士は忙しく、事務所内でも肩身が狭いため、全員が提訴行動に集まることは難しいですが、原告になりたくてもなれなかった同期や、自由に給費制の活動ができない原告の声も一生懸命伝えていきたいと思います。