法学部人気の低迷

先日発表された、東大入試の一次試験では、大学入試センター試験の成績(900点満点)について、合格者の最低点が、文科一類が375点、文科二類が617点、文科三類が657点、理科一類が681点、理科二類が714点、理科三類が685点とされました。分科一類(法学部に進学する人が多いです)の点数の低さが抜きん出ています。

http://resemom.jp/article/2014/02/12/17086.html

法学部不人気の波は、東大にも押し寄せています。

東大や明治大の大学生に話を聞いたところ、弁護士の増員で就職難や収入の低下が著しいこと、法科大学院に行くには金がかかること、合格率があまり高くないことが法学部不人気の理由とのことでした。

私が大学に入学した頃は新司法試験が始まるということで、法学部の人気が高まっていました。だいぶ違いますね。

弁護士の仕事は、依頼者の方の人生や経営をもっとよくすることができ、かつ自由で、ほかの仕事にない魅力があると思います。なのに、現状では気軽に弁護士を目指せず、私たちも後輩に「弁護士はとっても良い仕事だから目指そうよ」なんて気軽に言えません。

訴訟ではなかなか法曹養成制度全体について言及することができず、歯がゆいですが、今後の行く末を見守って行きたいと思います。

 

(ブータ)

 

 

東京第1回期日のご報告

29日に東京の第1回期日がありましたので、ご報告致します。

29日13時45分から入廷行動を行いました。
全国各地から集まった原告,代理人に加え,66期や大学生も多数参加し,40名以上による迫力のある入廷行動になりました。
期日は14時から,100名以上の傍聴席のある東京地裁103号法廷で行われました。
バーの中に入った原告,代理人は約30名,傍聴席は大勢の学生,市民の方,66期や修習生などでほぼ満員でした。
最初にテレビカメラによる撮影を行いました。
期日は,訴状・答弁書陳述のあと,弁護団長渡部容子弁護士(仙台)が自身の給費制にかけてきた想いを語る意見陳述を行いました。「給費制の下で受けた修習が自分の原点であり,その大切さは裁判官や訟務検事も共有していると信じている」という訴えが心に響きました。
続いて,原告団長の宮里民平弁護士(第二東京弁護士会)が,貸与制の下で修習した悔しさと修習において給費がいかに必要かを自身の体験から訴え,「法曹をめざす若者に「金がかかるからやめとけ」なんて言うようになる状態は絶対に変えるべきだ」とこの訴訟は法曹を目指す後輩のためでもあるということを力強く主張しました。
同じく原告の畠山幸恵弁護士(第二東京弁護士会)が,社会人になって間もない妹に連帯保証人を頼んだ辛さや健康保険の問題点,経済的な苦労を切切と語り,貸与制が不合理な制度であること訴えました。
三人とも,5分という短い時間でしたが,とても気持ちのこもった意見陳述であり,傍聴席からは毎回今にも拍手が巻き起こりそうな雰囲気で包まれました。
裁判長は,意見陳述の間,じっと陳述者の目を見つめて聞いていました。
最後に,弁護団長の原和良弁護士(東弁)が,パワーポイントを使って訴状の要旨を説明し,最後に苦学生だった自身の経験から,弁護士として公益活動ができるのは給費制のおかげであると訴えて締めくくりました。
 
次回は3月17日14時~ 国の実質的な反論が提出されます。
 
期日後は,地裁隣の日比谷図書館大ホールで記者会見兼報告集会を行いました。
報告集会では布川事件の当事者杉山さんや市議会議員の方など,多くの市民や学生から力強い応援のメッセージをもらいました。
 
これで全国4提訴地での第1回弁論期日がおわり,今後の審理に向けて良いスタートが切れたと思います。
 
東京訴訟団を始め,全国から駆けつけて下さった皆様,応援して下さった皆様,本当にありがとうございました。

福岡第1回期日のご報告

東京訴訟の準備に追われ、しばらく行進をせずにいてすみません。

今日は福岡第1回期日のご報告です。
10時45分、福岡地裁正門前から入廷行動を行いました。
全国各地から駆けつけてくれた原告、代理人に加え、地元福岡だけでなく、佐賀、大分、熊本、宮崎など九州各地の原告、代理人が加わり、およそ40名ほどで堂々と入廷しました。
また、テレビカメラも4台来てくれました。
期日の開かれる301号法廷は福岡地裁で最も大きい法廷です(定員は108名)。
開廷5分前の時点では、傍聴席のうち6割5分ほどしか埋まっておらず、このままだと少しさみしいなあと思っていたところ、そこから開廷までの間に続々と傍聴者がつめかけ、傍聴席の後に臨時に設置された補助席20席ほどもいっぱいになり、傍聴席はあふれんばかりの様相でした。
傍聴者も老若男女バラエティに富んでおり、弁護士だけでなく、修習生、市民の方などもいらっしゃいました。
期日の開始では、九州弁護団の共同代表の一人である安永宏弁護士(佐賀)の、なぜこの訴訟に代理人として参加をしたのか、をご自身の45年の弁護士人生を踏まえて語る熱い意見陳述が行われました。
この意見陳述で法廷の雰囲気があたたまったところで、髙木士郎弁護士(福岡)から訴状の要旨陳述をがありました。
次に、原告の意見陳述で、九州原告団長の江原健太弁護士(宮崎)が、自身が法曹を目指すに至った経緯と貸与制下での修習の実態を踏まえ、力強く、かつ冷静に想いを語りました。
次に、九州の原告である國府朋江弁護士(福岡)が、自身の家族の話を交えながら貸与を受けるに至ったこと、女性としての視点からの貸与制の問題について、気持ちを込めて訴えました。
最後に、九州弁護団のもう一人の共同代表である徳田靖之弁護士(大分)から、ご自身の弁護士人生を踏まえながら、給費制の持つ憲法的意義について語りました。
傍聴人が100人もいるとは思えないほど、法廷にいる人たちが意見陳述に集中し、なんだか得も言われぬあたたかい雰囲気につつまれた期日でした。
報告集会では、傍聴された修習生の方から、今日の期日を傍聴して、こんなにも真剣に給費制復活に向けて多くの弁護士が活動しているのをみて励まされた、自分たちも頑張ろうという気になったなどといった、発言があるなどとても心強いお言葉をたくさんいただくことができました。
【以上、報告おしまい】
九州はとても温かく、かつ本質をついた法廷だったようですね。
次は東京の第1回期日の報告を致します。
(ブータ)

社会に出て5年目に返済がやってくる

貸与制によって国から借りたお金は、修習終了後5年目から返済がスタートします。

私たち新65期はようやく弁護士2年目に突入しました。貸与を受けた人は4年後から返済がスタートします。

しかし、この1年間だけでも、病気でマトモに仕事ができなくなった同期や、出産した同期がいます。法曹5年目というと、女性で出産を迎える方も多いかと思います。

そんな時に、300万円の借金の返済は果たして本当に可能なのでしょうか。

私は貸与制の返済が個人の人生の選択に大きな影響を与えているように感じます。

 

(ブータ)

 

66期も提訴します!

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

新年は食あたりで体調を崩してしまい、しばらく更新できずにおりました。弁護士1年目の疲れがどっと出たのかもしれません。同期で体調を崩した人は結構多くいました。

さて、貸与制2期目にあたる66期が修習を終え、弁護士、裁判官、検察官として仕事を始めました。

66期も給費制復活に対する想いは強く、提訴を準備しているところです。

現在、原告を絶賛大募集中です!提訴地をどこにするか、法律構成をどうするかなどの重要事項はまだ検討中ですが、今後会議を重ねて意見を取り入れていきたいと思います。

66期のみなさんは先日の3連休も会議をして頑張っていらっしゃいました。とても頼もしくて、嬉しい気持ちになりました。

(ブータ)

広島第1回期日のご報告

12月25日クリスマスに、広島第1回期日が行われました!

午後1時30分開廷で、定員40名の法廷はほぼ満杯でした。もちろんバーの中にも多くの人が入りました!

代理人意見陳述(およそ20分) は宇都宮共同弁護団長,秦広島弁護団長が行いました。
訴状概要説明(およそ5分)は広島弁護団事務局長の中田弁護士が行いました。中田先生は旧試験で合格された方ですが、いつもビギナーズネットのTシャツを着てくれて、なんと1票の格差の訴訟の入廷シーンでもTシャツを着てくれています。
原告意見陳述は広島原告団長の門脇 慧先生が行いました。
被告指定代理人から,詳しい主張書面を平成26年2月28日までに提出するとの報告がありました。

口頭弁論終了後,別室で進行協議期日を行い、次回以降,なるべく30分枠を確保し,原告の意見陳述を毎回行うことを確認しました。
次回期日は平成26年3月24日(月曜日)午後1時30分から、
(おそらく)305号法廷 で行います!

今回の期日では、 終了後に
報告集会,記者会見、広島弁護士会主催の給費制復活市民集会を 開催しました。
広島のみなさん、本当にお疲れ様でした!

中国新聞と朝日新聞が取り上げてくれたので、記事をアップしますね↓。

給費制広島第1回中国新聞

給費制広島第1回朝日新聞

(ブータ)

独立した新65期の手記

同期で、事務所を出て独立した人が手記を書いてくれたので、載せます。

私は9月に事務所を体調不良により退職し、就職先を探しましたがどこもいっぱいでやむを得ず11月に独立しました。

独立してひとつき目、三万円しか稼げていません。
前の事務所で貯めた預金も登録替え費用十万と月会費五万で全て底を尽きました。
家族の支援で何とか食いつないでいますが、これで将来生活できるのでしょうか。
今のところ弁護士会に支払う会費すら稼げません。
弁護士でありながら、家族からの援助を受けながら生活せざるを得ない。

本当に情けない限りです。
弁護士は儲かると言われていますが、それはあくまでも顧客層のある中堅であり、独立した若手には その顧客層すらなく、生活する最低資金すらありません。
月三万円しか稼げないなんて、バイト以下の生活です。
普通に社会人している方がまともな生活を送れます。
今、弁護士業界は、若手に厳しい社会となっています。
こんな状況では公益活動なんてとてもできません。
する資力も余裕もないです。 自分は公益活動をして市民の皆さんのお役に立ちたいと思っていたのに、本当に情けない限りです。
法科大学院や修習で奨学金も1000万円抱えており、奨学金は親に援助して頂いていますが、5年後貸与金を本当に返済できるか、不安です。
今弁護士業界は人数大増員で不景気であり、どこも就職口はなく、 今後さらに収入も減ることを考えると、5年後に私は自己破産しているのではないかと思います。
今、弁護士廃業も本気で考えています。

名古屋第1回期日のご報告

一昨日、名古屋の第1回期日がありました。

原告3名の意見陳述、宇都宮弁護団長の意見陳述、纐纈名古屋弁護団長の意見陳述、訴状の概要の説明が行われました。合計40分程度です。

原告たちはペーパーを見ずに堂々と話し、中には修習時代のつらいことを思い出して涙する者もいました。

1ヶ月くらい前は、裁判所は20分しかとらないと言っていたのですが、全国の訴訟団で協議の結果、名古屋の訴訟団が進行協議を行うよう裁判所にかけあい、進行協議が開かれました。そこで名古屋の方々が粘った結果、ようやく40分の時間をもらうことになりました。

今回の第1回期日で裁判官が私たちの気持ちを汲んでいただけたのなら幸いです。

第2回期日は、3月か4月ころになる見込みです。被告の答弁書が出てから進行協議を行い、そこで原告の準備書面提出の目処を聞いてから期日を入れることになったためです。

今回は共同通信が記事にしてくれて、NHKは名古屋の夜のニュースで1分40秒ほど時間をとってくれました。もっとマスコミにとりあげてもらえわないといけないですね。今後も精一杯頑張ります。

 

(ブータ)

秘密保護法反対にみる弁護士の公益性

しばらく投稿せずにおりすみません。

この間に秘密保護法が成立してしまいました。この法案の反対運動を特に頑張ったのは、弁護士です。日弁連では連日有楽町などで宣伝をしました。東京以外とのところでも街頭でリーフレットを配ったり、声明を出したりと、弁護士が先頭に立って頑張りました。もちろん手弁当です。

そもそもこの法案の危険性を早くから指摘してきたのは弁護士です。日弁連の秘密保護法のリーフレットは一昨年に作られました。

こういったことから、弁護士は危険な法案に警鐘を鳴らし、国民の生活や人権のために頑張っているということがいえると思います。

しかし、お金に困っていたら、街頭で宣伝をするようなことはできなくなります。

今回の秘密保護法の問題を通じて、やっぱり給費制は必要だなと再認識しました。

 

(ブータ)